墓地・墓石について

必ずお墓を建てなければならないという法律はありません。
お墓とは、亡くなった人を思い、供養するための場であり、残された人にとっては心の整理をつけ、いま自分がいることを感謝したり、喜びや悲しみの報告に手を合わせることができる場所です。
しかし、どのようなお墓を持つか、お墓自体持たなければならないかについての決まりはありません。
お子様がいらっしゃらなくても問題ございません。
親族でも、お墓の継承ができる墓所は数多くあります。特に、民営霊園ではほとんどの場合、親族への継承が可能です。何親等までならお墓の継承できるか、墓所により規定が異なります。
その他に、継承者不要で利用ができる永代供養付きのお墓もあります。普通のお墓と同じように自分達のお墓に納骨・供養をすることができ、一定期間利用後の永代供養までセットになっております。無縁仏になる心配がなく、安心して自分達のお墓をもつことができます。
近年では、様々なご家族のニーズに応じたお墓がありますので、お気軽にご相談ください。
墓石は、ご家族のご要望に合わせてひとつ一つお造りするため、制作期間は2〜3ヵ月程度かかります。
もし、法要のタイミングに間に合わせたいなどのご事情がある場合は、事前に相談しておきましょう。
まず、購入時の消費税について、永代使用料(墓地代)は非課税対象ですので消費税はかかりません。石材店などに支払う墓石代や工事代などには消費税がかかります。

「不動産取得税」「相続税」「固定資産税」などはかかりません。墓地契約の際は、永代使用料をお支払いいただき、墓地の“使用権”を取得します。土地を所有する訳ではありませんので、これらの税はかかりません。
お墓の場所(区画)だけ先に購入することはできます。ただし「建墓期限」というルールを設けている墓所がほとんどです。
墓所のルールに従い、建墓期限までにお墓またはお墓の一部(外柵と言われる土台部分)の工事を行ってください。

墓所によって建墓期限は異なりますが、およそ半年から3年程度の場合が多いようです。お墓の区画申し込みの前に確認をしておきましょう。
日頃のお手入れは、タオルなどのやわらかいもので拭いてください。洗剤などは使わず水洗いし、最後に乾いたタオルなどのやわらかいもので乾拭きにて仕上げてください。タワシや目の粗いスポンジで擦ってしまうと、石の光沢を失う原因となりますので避けるようにしてください。

墓石は天然のものなので、お手入れに気をつけていても経年による変化や、汚れの堆積はある程度避けられません。いつまでもきれいな墓石を保つため、定期的にプロのクリーニングを頼むのも良いでしょう。
・お酒やジュース等をかけるのは禁物
故人が生前好きだったお酒等の飲み物をお墓にかける光景をよく目にします。しかし、石は水分を吸収してしまい、吸収したお酒やジュース等の成分が石の中で腐るとシミの原因となってしまいます。極力、水以外のものは墓石にかけないようにしましょう。もし何かかけた場合は、すぐに水でよく洗い流してください。

・お供え物は持ち帰りましょう
お墓参りの際にお供え物をそのままにしておくと、カラスなどが墓所周辺に巣を作る原因となります。また、果物や缶類は、雨に打たれてシミやサビの原因になる可能性があります。

・お線香は束で火をつけない
石は熱に対してあまり強くありません。お線香を束のままで火をつけて2〜3束まとめて香炉の中に入れてしまいますと、火柱が立ちのぼって消えないことがあります。石を熱しすぎると、石の中の空気が膨張し、香炉のヒビ割れの原因になる可能性があります。

・花粉の多い供花は注意
墓石に落ちる花粉もシミの原因になります。花粉が落ちやすいユリなどの花を供える場合は、あらかじめ雄しべを取り除いておくと良いでしょう。

仏壇・仏具について

奈良時代に書かれた「日本書紀」に、お仏壇の起こりについての記述があります。686年、仏教を広めるため、天武天皇が国ごとに仏舎を作り仏像、経典をお祈りせよという勅令を出したというもので、仏舎がやがてお仏壇となり、そこから日本各地に広がったと考えられています。
一般庶民にお仏壇が普及したのは江戸時代のことと言われています。江戸幕府が寺檀制度を整備したことにより、各家庭にもお仏壇が置かれるようになりました。

お仏壇は、「仏様をお祀りする家の中のお寺」また「ご本尊(仏様など)やご先祖の家」という特別な空間だと考えられていました。

昔に比べて宗教観が変わってきている現代においては、信仰よりも、ご先祖、亡くなった親族の供養という意味合いが強まっております。供養というと儀式的、形式的にも聞こえますが、お仏壇を安置しお参りすることは、日々の暮らしのうれしい出来事を報告したり、悲しい出来事を聞いてもらったり、「大切な人と対話すること」とも言えるでしょう。
最近は仏壇も伝統的なものから、家具調のもの、小型のものまで様々なタイプがあります。
まず確認しておくことは宗派です。宗派によって仏壇も変わってきますので、宗派をお店に伝えると、お客様に合った仏壇を教えてくれます。
また置く場所によっても大きさが変わってきます。特に扉を開けた状態でも入るのか確認が必要になります。

洋室などのリビングに置く場合には、ご家族の好みや周りの家具との調和も考えておく必要があるでしょう。
仏壇は本尊、位牌などをお祀りし、心をこめて手を合わせることで、ご先祖様を供養するものです。
仏壇は大きく分けて「金仏壇」と「唐木仏壇」の2種類があります。「金仏壇」は漆と金箔の輝きが荘厳な印象を与えます。唐木仏壇は黒檀や紫檀などを使用し、落ち着いた重厚な風合いの仏壇です。
金仏壇は浄土真宗や浄土宗のものです。唐木仏壇は黒檀、紫檀、シャム柿といった木材の美しい木目を活かしたお仏壇です。「唐木」という名称は、東南アジア産で採れた木材がかつて中国を経由して日本に入ってきたので、「唐からきた木」という意味で呼ばれています。
唐木仏壇はどの宗派でも使われています。最近は宗派や様式にこだわらず、好みやライフスタイル、インテリアに合わせたタイプのものも増えてきています。

故人の冥福を祈るという気持ちがあれば、ご家族の好きなタイプを選んで良いでしょう。
基本的には、仏壇はどこに置いても問題はありません。
どんな部屋の下だから失礼に当たる、という決まりがあるわけではありません。
仏教には方角の吉凶はないといわれていますが、一般的には北向きの設置は避けたほうがよいかと思われます。礼拝は毎日の習慣になりますので、お参りのしやすいスペースを用意するようにしましょう。

最近の住宅事情により、仏壇周りに充分なスペースが用意できないことも少なくありません。そのような場合には、リビングのサイドボードやタンスの上などに置いても構いません。ただ、お参りする人の目線が、ご本尊より高くならないように置くようにしてください。

また、仏壇は木でできていますので、湿気や直射日光を嫌います。クーラーの風が直接かかるような場所も避けたほうが良いでしょう。
材質にもよりますが、多くの仏壇の場合毛ばたきでやさしくほこりを払い、タオルなどのやわらかい乾いた布で丁寧に拭いてあげると良いでしょう。
お仏壇を修理して綺麗にすることを「お洗濯」と言います。

立派な金仏壇をお持ちであるならば「お洗濯」をお考えになってはいかがでしょうか?
「お洗濯」にもいろいろなレベルがありますが、本格的に行なえば比較的安い値段で見違えるような綺麗なお仏壇に仕上げることができます。
「お洗濯」ができないお仏壇もあり、値段はお仏壇の大きさや傷み具合にもよりますので、お仏壇を購入したお店で見積もりを取得してみるとよいでしょう。まずはお気軽にご相談ください。
お仏壇と神棚を並べておくことは問題ありません。

ただ、向かいあわせに置くと礼拝するときに、どちらかにおしりを向けてしまうので避けた方がよいでしょう。
お仏壇はご先祖様をお祀りするとともに、御本尊もお祀りするものですので、複数箇所にあっても構いません。
その際は、「位牌分け」をしてお祀りすることになります。
なお、位牌分けをされて、新しいお位牌を作る場合は、お寺様にて御魂入れをしてもらう必要があります。
お仏壇は第一に仏さまを祀るものですので、各宗派のご本尊は必要です。掛軸の場合もありますし、仏像の場合もあります。
もちろん、信仰は自由ですので、仏教を信仰せずに、無宗教でご先祖をお祀りするということはできますが、その場合は「仏壇」とは言えません。お寺様にてお経を読んでいただく場合は、ご本尊が必要だと思います。
一般的には仏壇に供える花に決まりはありません。故人が好きだった花や季節の花をお供えされてよいでしょう。
華やかな花であってもまったく問題はありません。

また、仏花のかわりに「樒(しきみ)」や「高野槙」などといった植物を飾ることもありますし、観葉植物を供えられてもよいかと思います。

ただ、棘や毒のあるバラや彼岸花、夾竹桃など、仏壇に供えるのに相応しくないと考えられている花はあります。
生花にしろ、造花にしろ、供養する気持ちが一番大切だと思います。
念仏を唱える時に、何回唱えたかを数えるため一声ごとに一玉ずつ繰っていました。数珠の玉の数は、人間の煩悩の数といわれる108個が基本となっていますが、実際私たちが使っている数珠の玉の数は108以外にも、持ちやすいように54、27、18などいろいろな数があります。

また丸く輪になっているのは、仏の心を私たちの心の中に通し、心が丸く素直になることを意味しております。
お位牌は亡くなってから49日までに作ることとされています。

お位牌には、漆塗りの上に金箔を施したものや、木目の美しさを強調したものなど、様々なものがあり、値段も数千円から数十万円まで様々です。どんなもの選んでも構いません。

位牌の大きさは、既に仏壇に別の位牌があられる様であれば、その位牌と同じか、少し小さめの位牌を作られるのがよいでしょう。
仏壇店には、お寺様に書いていただいた戒名の原稿か、白木の仮位牌から字を書き写して持参されるとよいでしょう。

その際、戒名の字は旧字体などを使っていることも多いので、仏壇店とよく確認し合う必要があります。

お位牌は、値段、品質もまちまちなので、実際に現物を見てから購入した方がよいと思います。

文字の加工についても、彫刻や手書きなど、いろいろありますから、仏壇店に相談して、ご自分に合ったものを選ばれるとよいでしょう。
10枚ほどの位牌をまとめることができる繰り出し位牌や、過去帳にまとめるという方法があります。また33回忌や50回忌を済ませた方の位牌は、ご先祖様の位牌としてまとめてお祀りするという方法もあります。繰り出し位牌とは、屋根や扉のついている位牌の枠の中に、戒名・法名を書いた板位牌を何枚か納めることのできるものです。過去帳とは、故人の戒名、俗名、死亡年月日などを記したものです。

宗派によっても変わってきますので、お寺様に相談してみてはいかがでしょうか。

仏事・法要について

死後毎年まわってくるその人の死亡年月日を「年忌」といい、その法要を「年忌法要」といいます。

1年目の「一周忌」、翌年の「三回忌」、以降「七回忌」「十三回忌」「十七回忌」「二十三回忌」「二十七回忌」「三十三回忌」「三十七回忌」「五十回忌」と続きます。
一周忌までは、親族のほか広くご友人までお呼びする場合もあるようですが、もちろんご家族だけで行ってもよいでしょう。

その場合、親戚には家族で一周忌の法要を無事執り行った旨をお知らせして、ご仏前をいただいた方にはお返しをお送りしておきましょう。
仏事は先延ばしにしないという慣例があり、命日に供養できない場合は、前倒しで行うのが一般的です。

ただ、仏様のことを軽んじるわけでなくどうしても都合がつかないということでしたら、命日より後の供養になっても仕方ないことでしょう。お寺様の了承をいただいてから、ご家族の都合のつく日に法要をされるといいでしょう。故人へのお気持ちが一番大切です。どなたか都合のつく方が命日にお墓参りをされるとさらによいのではないでしょうか。
仏壇は、ご本尊と位牌を入れる家のようなものです。魂を入れる必要がるのは、通常ご本尊と位牌ということになります。お寺様が家に来られた際には、位牌やご本尊といっしょに開眼供養ができますが、そうでなければ仏壇だけのための開眼供養は必要ないでしょう。
お釈迦様が亡くなられた時、香木を積み上げて荼毘に付したとありますから、仏教の始まりからお香は焚かれていたようです。葬儀の時も焼香するように、お香でもかまわないのですが、お香を焚くのは手間がかかるので、細長く点火もしやすいお線香が使われているのでしょう。
毎日使うものですから、値段的にも高いお香よりもお線香の方が実用的だといえるでしょう。
盆提灯とは、毎年お盆になると飾る盆提灯は、先祖や故人の霊が迷わないよう、仏壇や盆棚の前、窓や玄関などに置く仏具です。
迎え火、送り火としてお盆の際に使用する提灯のことを指します。地域によっては、親族や故人と親しかった人々が、新盆(にいぼん、しんぼん、あらぼん)または初盆(はつぼん)を迎えた家に盆提灯を贈るという風習が残っています。

ただし、真宗においてお盆は、仏様である故人の霊を通して教えを授かる「歓喜会(かんぎえ)」に位置づけられています。そのため、特別なお盆飾りや盆棚を設けず、仏壇は通常の飾りつけをするのが正式とされています。

特に新盆には、白い提灯を飾り、故人の霊を迎え入れます。仏壇の前や盆棚(精霊棚)の前には奇数ではなく、一対、二対と2個1セットで盆提灯を飾るのが風習とされています。